第61章 なんか、変な臭いしない?

入り口に姿を見せたのは、山田悠子だった。

それだけではない。その背後には、虎視眈々とこちらを睨めつける二人の腰巾着も控えている。

白石菜々緒の敵意に満ちた言葉を耳にしても、山田悠子は紅の唇を微かに吊り上げるだけだった。

「『めくら』がショッピングを楽しむ奇跡を目撃したって聞いたから、てっきり都市伝説か何かだと思っていたけれど……まさか本当だったなんてね」

「祐衣家さん、あなたよくもまあ、VICルームにまで潜り込めたものね。大した度胸だわ」

「天涯孤独で学費すら払えなかった貧乏人が、まさかこんな贅沢な空間に足を踏み入れる日が来るなんて、夢にも思わなかったでしょう?」

山田悠子の言葉...

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